謝辞
2001年2月8日息子と同じクラスの子のお母さんから、
折り入って頼みがある、と呼び出された。
彼女には、少々借りがある。
たいていのことならば引き受けようと
思いつつ聞けば、頼みというのは他でもなかった。
息子たちの卒園式で、保護者総代として
謝辞を読んでくれ、というのである。
彼女は卒対役員のトップであることを思い出した。
晴天のへきれきとは、このこと。
私の仕事は、3月がもっとも忙しい。
卒園式の翌日も、とても大事なイベントが
控えている。息子の卒園の感慨にのんびり
と耽っている余裕はないのだ。
それなのに、保護者総代などという大役が
まわってくるとは・・・。
じゃまっけなモスキートだった卒園式が、
突然に、巨大化したモスラとなって襲い
かかってきたようなものだ。
けれども、私は、引き受けてしまった。
ふたつ返事ではもちろんない。
0.5返事くらいだったかもしれない。
しかし、決定は決定だ。
かのお母さんは、私の両の手を握り締めた
まま深く安堵の吐息を漏らした。
彼女の鬼気迫る表情に気圧されて、思わず
引き受けてしまったわけではない。
常に仕事を第一と定め、園と実家の母任せで
子育て期間をやり過ごしてきた失格母親の、
せめてもの償いの気持ちである。
謝辞。
私のような至らぬ母親にこそ、ぴったりの
役目かもしれない。
おおいに、謝ってみたい。
私の悪行が、その程度の償いで許されるものか
どうかは、わからないけれど。
折り入って頼みがある、と呼び出された。
彼女には、少々借りがある。
たいていのことならば引き受けようと
思いつつ聞けば、頼みというのは他でもなかった。
息子たちの卒園式で、保護者総代として
謝辞を読んでくれ、というのである。
彼女は卒対役員のトップであることを思い出した。
晴天のへきれきとは、このこと。
私の仕事は、3月がもっとも忙しい。
卒園式の翌日も、とても大事なイベントが
控えている。息子の卒園の感慨にのんびり
と耽っている余裕はないのだ。
それなのに、保護者総代などという大役が
まわってくるとは・・・。
じゃまっけなモスキートだった卒園式が、
突然に、巨大化したモスラとなって襲い
かかってきたようなものだ。
けれども、私は、引き受けてしまった。
ふたつ返事ではもちろんない。
0.5返事くらいだったかもしれない。
しかし、決定は決定だ。
かのお母さんは、私の両の手を握り締めた
まま深く安堵の吐息を漏らした。
彼女の鬼気迫る表情に気圧されて、思わず
引き受けてしまったわけではない。
常に仕事を第一と定め、園と実家の母任せで
子育て期間をやり過ごしてきた失格母親の、
せめてもの償いの気持ちである。
謝辞。
私のような至らぬ母親にこそ、ぴったりの
役目かもしれない。
おおいに、謝ってみたい。
私の悪行が、その程度の償いで許されるものか
どうかは、わからないけれど。
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