あいさつ

2002年10月8日
今朝また、あの人から挨拶された。
その女性とは半年ほど前から、週に2回程度自転車ですれ違う。
歳の頃は、40代半ばといったところか。
すれ違う場所は駅の近くの商店街、決まって朝である。
彼女はいつもすれ違いざま、「おはようございます!」と威勢のいい声で私に挨拶をしてくれる。私も反射的に「おはようございまーす」とにっこり微笑んで返しているものの、実は彼女が誰なのか、さっぱりわからないのである。
初めのうちは、先方の人違いかと思った。
しかし、どうやらそうではないらしい。彼女の確固たる挨拶と笑顔に、やがて私は、私の方が「人忘れ」をしているのだと確信した。
いったい、誰なんだろう?
どうして私を知っているの?
どこかで見たことのある顔、と思えば、思えなくもない。
ナース、歯科助手、コンビニの店員、小学校の先生、学童の先生・・・
思いつく限りの職業のユニフォームを、イメージの中の彼女に着せてみた。しかし、どれも今ひとつしっくりこない。
そして今朝も、ベージュのジャケットを羽織った彼女は、鮮やかな挨拶を投げて私の横を走り去って行った。

いつの日か、あの人がどこの誰なのか、私とどんな関係がある人物なのか、すべてが明らかになる時がくるのかもしれない。
その日のくるのが、今の私には密かな楽しみだったりする。

人と人は、
意外な所で繋がっていたり、
繋がってしまったりするものである。

良くも、悪くも。



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