シュレッダー

2002年10月29日
「何か恥ずかしいもの、ない?」
息子がたずねる。
彼の手には、先日届いたばかりの手動式シュレッダーが握られている。
銀行の企画で、月々の積立預金で貯めたポイントでもらった景品である。
前々から欲しかったシュレッダーが、こんな方法で手に入るとは思わなかった。渡りに船とは、このことだ。

シュレッダーが届いた日、息子は小躍りして喜んだ。
新しい機械にすぐに夢中になる性格は、私譲りらしい。
その日のうちに息子は、家中のクレジットカードやNTTなどの請求書類数年分をすべて粉々にしてくれた。
そんな不毛な作業を嬉々として進めながら、息子は訊いた。
「どうして、こういう紙はシュレッダーして捨てるの?」
誰かに見られたら恥ずかしいから、と、私は答えた。
以来息子は、家の中で何かのメモやDM葉書などを見つけると、必ず、
「これ、恥ずかしい?」と聞くのである。
そしてクローゼットから、ウキウキしながらシュレッダーを持ち出してくるのだ。
今夜は帰宅するなり、ポストに届いていたプロバイダの請求書をシュレッダーした彼は、さらなる「恥ずかしい物」を探している。

恥ずかしい物。
シュレッダーに入らない物ならば、いくらでもあるんだけど・・・。


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