圏外

2002年12月8日
息子を連れてデパートへ買い物に出かけた。
息子をゲームコーナーで遊ばせている間に、私は買い物をすませるつもりだった。
売り場を歩き回っていると、時間はあっと言う間にすぎてしまう。
ふと気になってポケットの携帯を取り出して見て、私は慌てた。圏外なのだ。
いったい、いつから圏外だったのだろうか。
別れてから、かなり時間が経っている。
息子は、自分の携帯から私の携帯に何度もコールしたに違いない。
お互いに携帯電話を持っているという安心感から、待ち合わせの場所も時間も何も決めずに別行動を取ってしまっているのだ。
私は急いで電波の届く所へ移動し、息子の携帯にかけてみた。
すぐに息子の「もしもし」という声が聞こえた。
しかし、そのあとは無音である。ツツッ、ツツッという、圏外警報音が鳴っている。
電波状態の良い所を探しまわって移動するが、電話は繋がらない。
通話は諦め、メールを送ることにした。
≪ママは、2階にいます≫
まもなく、エスカレーターを降りてくる息子の姿が見えた。
「何度もママに電話したんだよ。あっちこっち歩いて探しまわって・・・。ママ探しで、ぼく疲れちゃったよ」
息子は文句たらたらである。

どうやら、「迷子」になっていたのは、息子ではなく私の方だったようだ。


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