独り言
2002年12月18日午後、私用のため電車で出かけた。
昼下がりの車内は、空いている。
電車に乗ったとたん、女性の話し声が聞こえた。
喋っているのは、60歳くらいの女性であった。
向かいのシートに連れが腰掛けているらしく、まっすぐ正面を向いたまま、車両中に響くような声で熱弁をふるっている。
しかし、彼女の向かいの席に座っている人物を見て、息を飲んだ。
それは若いサラリーマン、しかも眠っている。
もはや考えるまでもない。女性は、独り言を言っているのだ。
見えない相手と喋っている、と言った方が正しいかもしれない。
静かな車内には、彼女が延々と語る言葉だけが響いている。
話題は、息子だか親戚の誰かだかが、海外に長期出張に行くとか行かないとか、そんなことらしい。
家庭の事情から、日本の国際交流についてまで、話しはどんどん展開していく。
不思議な光景ではある。
しかし、よく考えれば、そう珍しいことではないのかもしれない。
人は誰でも、常に誰かと会話したり問いかけたりしながら生きているものなのではないだろうか。
その相手は、もう一人の自分だったり、遠くの友人だったり、恋人だったりするだろう。
要は、その心の中の会話を、声に出すか出さないかの差だけではないだろうか。
やがて、電車は私の下車する駅に着いた。
話の続きに心を残しながら、私は電車を降りた。
昼下がりの車内は、空いている。
電車に乗ったとたん、女性の話し声が聞こえた。
喋っているのは、60歳くらいの女性であった。
向かいのシートに連れが腰掛けているらしく、まっすぐ正面を向いたまま、車両中に響くような声で熱弁をふるっている。
しかし、彼女の向かいの席に座っている人物を見て、息を飲んだ。
それは若いサラリーマン、しかも眠っている。
もはや考えるまでもない。女性は、独り言を言っているのだ。
見えない相手と喋っている、と言った方が正しいかもしれない。
静かな車内には、彼女が延々と語る言葉だけが響いている。
話題は、息子だか親戚の誰かだかが、海外に長期出張に行くとか行かないとか、そんなことらしい。
家庭の事情から、日本の国際交流についてまで、話しはどんどん展開していく。
不思議な光景ではある。
しかし、よく考えれば、そう珍しいことではないのかもしれない。
人は誰でも、常に誰かと会話したり問いかけたりしながら生きているものなのではないだろうか。
その相手は、もう一人の自分だったり、遠くの友人だったり、恋人だったりするだろう。
要は、その心の中の会話を、声に出すか出さないかの差だけではないだろうか。
やがて、電車は私の下車する駅に着いた。
話の続きに心を残しながら、私は電車を降りた。
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