スキー

2003年1月26日
午後、新幹線で東京に帰ってきた。
昨年に続き、息子を連れての2回目のスキーだった。

そのスキー場には、独身の頃に4,5人の友達グループで何回か行ったことがある。
友人の勤めていた会社の保養所が近くにあり、安く泊まれた。

ゲストハウスの外観は、当時と変わらないままだった。
吹雪がイヤ、晴れれば焼けるからイヤだと言っては滑るのをやめ、年中ここでお茶したものだ。

グループの男性たちが滑りに行っている間、私たちはよくここでお茶をしながら、オトコの話に花を咲かせた。
その友人には、長い間カレシがいなかった。
綺麗なのに、どうしてかな・・。私はいつも不思議に思っていた。
スキー宿に安く泊めてもらっている恩義を感じたせいでもないが、私は彼女に恋をしてもらいたくてならなかったのだ。
当時一緒にスキーに出かけていたグループの中に、ちょっといい男がいた。
温厚で知的でユーモアのセンスもあり、ルックスも悪くない。
立場が許すのであれば私がイタダキタイ、と思うほどの男性であった。
彼は、どう? 
何度となく、私は彼を、彼女に勧めてみた。
すると彼女はいつもまんざらでもない顔で微笑むのだが、最後は決まってこう言った。
こっちがいいと思っても、相手の気持ちがあるものだから・・。
その二人が付き合ったからといって私に何かメリットがあるわけでもないのに、彼女がその台詞を言うたびに私はがっかりし、もどかしく思ったものだ。

その数年後、彼は亡くなった。
悲しい連絡をくれたのは、その友達だった。
33歳での急死だった。
どうして彼女が彼の死を知ったのか、くわしいことは聞かなかった。
当時、長男を妊娠中で体調が思わしくなかった私は葬儀に参列することができず、彼女にお香典を託した。
結局、彼は独身のまま逝ってしまった。

そしてその友達は一昨年結婚し、今は一児の母である。

昔と変わらぬゲレンデとゲストハウスを眺めながら、懐かしい友人たちの顔と無邪気に遊んでいた独身時代を思い出す二日間だった。

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