収納

2003年2月2日
職場の同僚に、片付け上手で定評のある女性がいる。
その奥義を聞いてみた。
「捨てることです。」
彼女は事も無げに言う。
たとえば、タオル。
家の中に置く枚数は何枚まで、と決めておき、それを上回る枚数のタオルをもらってしまったりしたら、増えた分だけ捨てるのだという。
しかも、もらったタオルの色や柄が気に入らなければ、新品のまま捨てることもあるとのこと。
そこまで聞いて私は、これは真似できない、と思った。
タオルを新しいまま捨てるなんて、私には絶対にできない。
もったいないとか何とか言う以前に、それはタオルに対する冒涜ではないか。
タオルの名誉のためにも、新品のまま捨てるなどということは決してしてはならないように思う。
使い古したタオルも同様で、新参のタオルを収納するために、きょうまで愛用していた何の罪もないタオルをただ捨てるだなんて、私にはできない。

なるほど。
収納は才能だというが、こういうことなのだ。
もったいないなどと思わずに、ばっさり捨てることができる才能。
思い出や思い入れを「物」に籠めず、使わなくなったものはきちんと捨てられる才能。
気に入っていたタオルはどんなにボロくなろうとも可哀想で雑巾として使うことができないような私には、その才能は完全に欠如している。

そうだったのか。
我が家が片付かない理由が、よくわかった。
私は、捨てられない。
タオルも、写真も、手紙も、思い出も、自らのオンナも。

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