喧嘩
2003年3月25日深夜、すさまじい怒鳴り声で目が覚めた。
どこかで男性同士が怒鳴りあいの喧嘩をしているらしい。
我が家の隣のブロックに、タクシー会社がある。
怒鳴り声はタクシー会社の駐車場の方から聞こえてくるようだ。
半分寝ぼけながらも、男性たちの声に神経を集中させてみたが、何を言っているのかまったく聞き取れない。
しかし、怒りに満ちた言い合いであることは容易にわかった。
そんな言い合いが20分以上続いただろうか。
突然、甲高い女性の声が轟いた。
「静かにしてくださいっ!何時だと思ってるんですかっっ!!」
一瞬にして、あたりは静寂の闇となる。
そのあとは、物音ひとつ聞こえなくなった。
何時だと思っているのか、という女性の声に完全に目を覚ましてしまった私は、起き上がって時計を見てみた。
3時半だった。
確かに、住宅街の真ん中で大の大人が怒鳴りあいの喧嘩をすべき時間ではない。
しかし、小気味いいことこの上ないではないか。
全身の力をふりしぼったような男性の怒鳴り声は、輪郭がぼやけて何を言っているのかまったく聞き取れず、一方で近所の女性が窓を開けて叫んだらしい声は夜の空気を劈き、男二人の怒声を一瞬で制しつつ凛と響き渡る。
二人の喧嘩男が、先生に叱られた幼児の如く、シュンと萎む姿が目に浮かぶようだ。
やはり、女は強い。
問答無用の底強さが、女にはある。
どこかで男性同士が怒鳴りあいの喧嘩をしているらしい。
我が家の隣のブロックに、タクシー会社がある。
怒鳴り声はタクシー会社の駐車場の方から聞こえてくるようだ。
半分寝ぼけながらも、男性たちの声に神経を集中させてみたが、何を言っているのかまったく聞き取れない。
しかし、怒りに満ちた言い合いであることは容易にわかった。
そんな言い合いが20分以上続いただろうか。
突然、甲高い女性の声が轟いた。
「静かにしてくださいっ!何時だと思ってるんですかっっ!!」
一瞬にして、あたりは静寂の闇となる。
そのあとは、物音ひとつ聞こえなくなった。
何時だと思っているのか、という女性の声に完全に目を覚ましてしまった私は、起き上がって時計を見てみた。
3時半だった。
確かに、住宅街の真ん中で大の大人が怒鳴りあいの喧嘩をすべき時間ではない。
しかし、小気味いいことこの上ないではないか。
全身の力をふりしぼったような男性の怒鳴り声は、輪郭がぼやけて何を言っているのかまったく聞き取れず、一方で近所の女性が窓を開けて叫んだらしい声は夜の空気を劈き、男二人の怒声を一瞬で制しつつ凛と響き渡る。
二人の喧嘩男が、先生に叱られた幼児の如く、シュンと萎む姿が目に浮かぶようだ。
やはり、女は強い。
問答無用の底強さが、女にはある。
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