蒸かし芋

2003年10月26日
昼過ぎに庭に出て、妙なことに気づいた。
見知らぬ自転車が1台、我が家の庭においてあるのだ。
自転車の持ち主は大方予想がついた。
きょう、隣の家でちょっとした寄り合いがあったらしく、隣家の前の道路には午前中から自転車が何台も並んでいた。
おそらくはそのうちの1台が、何かの拍子に我が家の庭に紛れ込んでしまったのだろう。
夕方までには引き取りに来るんだろうな・・。
私と夫の自転車の間に挟まれて我が物顔で停まっている自転車を見ながら、私はそう思っていた。
しかし、夜になっても自転車はまだ我が家の庭に置き去りのままだ。
隣家の前にたくさん停めてあった自転車は、もう一台もない。
どうやら、この自転車の持ち主は、自転車を忘れて歩いて帰ってしまったものと思われる。
仕方なく私は、懐中電灯を持ち出して自転車に書いてある名前と電話番号を調べ、持ち主に電話をしてあげることにした。
電話に出た自転車の持ち主は、案の定自転車のことなどすっかり忘れていた。
我が家の庭にあることを知ると、呆気にとられた様子だったが、すぐに取りに行く、と言って電話を切った。
声の感じだと、初老の婦人という感じだ。

何を持ってくるかな・・・。
私はちょっとしたいたずら心で、彼女が来るのを楽しみに待っていた。
こういう場合、たいていの女性は手ぶらでは来ない。
すでに夜9時を過ぎてスーパーなどは閉まってしまっている。
私は別に何かが欲しかったのではなく、こんな時人はどんな物を手土産に持ってくるのだろうか?ということに興味があったのだ。
家の中で待つこと約15分。
自転車の持ち主は、やってきた。
これ、どうぞ・・・と私に差し出したのは、蒸かし芋だった。
なるほど、そう来たか(^^)
私だったら、今だったら、何を持って行くかなぁ・・・。
美味しそうに蒸けたお芋を手に、自分のキッチンをぐるりと見回した。



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