太れない

2003年7月12日
2ヶ月ほど前に買ったきり一度も穿いていなかったジーンズを、きょう初めて穿いて出かけた。
穿いて歩いているうちに、ああ失敗したな、と思った。
腿のあたりとウエストがゆるゆるなのだ。
試着した時は、確かにぴったりだったのに。

私はこの2ヶ月間に、4?ほど痩せた。
私は生まれつき痩せる体質で、太ることができない。
短期間に3?や4?痩せることなど、珍しくないのだ。
体重が落ちてしまうタイミングはいろいろ。
風邪などの病気、ストレス、肉体疲労、暑さ、旅行。
今回も、思い当たる理由がいくつかある。

身長の低い私にとっては、4?という体重は大きい。
痩せると、とたんに体力が落ちる。
病気や怪我の治りが悪くなり、すぐに疲れるようになる。
さらに、エアコンの効いた部屋でなければ食欲が出ないくせに、食べているうちに寒くなってまた食べられなくなってしまうという悪循環。
まったく我儘な体質である。

孵化

2003年7月2日
昨日、かたつむりの卵が孵化した。
小さな小さな赤ちゃんかたつむりの誕生である。
一緒に写っているのは、つまようじ。
こんなに小さくとも、一人前にうずを巻いた殻をもち、ちゃんと角もある。
孵化に備え、一週間くらい前から、卵が産みつけられた土カップを親かたつむりとは別の飼育箱に移しておいた。
飼育箱の網蓋では網目をくぐって赤ちゃんが外に脱走してしまうため、ガーゼで覆って誕生を待っていた。
かたつむりは一度に20個くらいの卵を産む。
自然界と違い天敵がいない安全な飼育箱の中ではほぼすべての卵が無事に孵化するため、飼育箱の中はたちまちミニかたつむりでいっぱいになる。
すべての子を飼い続けるけにはいかないので、ある程度成長したら、公園のあじさいの根元に放してあげようと思う。


麦茶

2003年7月1日
「きょう、水筒に麦茶入れて持って行っていいよね?」
朝、目を覚ますなり息子がこう言った。
きょうから学校に麦茶を持って行くと言うのだ。
そんな話は聞いていなかった。麦茶の用意など、ない。
どうして昨日のうちに言わないのっ?
私は財布をエプロンのポケットにつっこみ、家からもっとも近い自販機に向かって駆け出した。
自販機にお金を入れて、麦茶のペットボトルのボタンを押す。
ガコン・・・
音を立てて落ちてきたのは、何故か、ITOEN本搾りオレンジだった。
ボタンを押し間違えたわけではない。
1本くらい違うのが入っていることもあるのかも・・・。
イライラしながらもう一度お金を入れ、再度、麦茶のボタンを押す。
ガコン・・・
出てきたのは、またしてもITOEN本搾りオレンジ。
何これ??
麦茶とオレンジが逆に入っているんだ、きっと!
私はもう一度お金を入れ、今度は本搾りオレンジのボタンを押してみた。
ガコン・・・
出てきたのは、やっぱり本搾りオレンジ。
何よ、もうっ!
ITOEN生絞りオレンジのペットボトルを3本も抱え途方に暮れつつも、仕方なくもう一度お金を入れて、爽健美茶のボタンを押した。
お茶なら何でもいいや、もう・・。

かくして私は、素手で4本のペットボトルを抱え、走って帰宅した。
先が思いやられる、7月のスタート(--)

ハワイアンズ

2003年6月29日
土曜日から一泊で、スパリゾートハワイアンズに行ってきた。
前々から一度行ってみたいと思っていたもののなかなか実現せず、今回が初めて。
詳細はあとでshorttripのページで書くとして・・・。
いちばん驚いたのは、混雑ぶり。
どうしてあんなに混んでいるの??
G.Wでもないし、お正月でも夏休みでもないのに・・・。
普通の土日が毎週あんなに混んでいるのだとすれば、凄い。
恐るべし、ハワイアンズ。

大浴場のロッカールームで聞こえてきたいろいろな地域の方言に、なんだか癒された。


ボーナス

2003年6月27日
きょう、ボーナスの明細が出た。
昨年よりかなり減っていて、ショックを受ける。

「私のボーナス、去年より8万円も減ったんだから」
夜、夫に自慢してみた。
すると、
「僕なんか一昨年の半分になったんだから」
と、逆襲された。
いまだかつて、こういうことで夫には勝てたためしがない。


2003年6月22日
実家近くの路上の停止線に、こんな顔が浮かび上がっている。
初めてこれを見た時には、さすがにちょっとギョッとした。
とりあえず心霊現象的なものではないらしい。
霊現象にしては、ハッキリくっきりしすぎている。
誰かのいたずらなのだろう。

この顔。
不思議な感じはあるけれど、不気味さがないのは、くっきりしているからなのだろうか。
不気味という感覚は、ぼんやりしてハッキリしないものに対して抱くものらしい。
で、これは誰の顔なの?
実はこれと同じ顔が最近、ご近所の別の横断歩道にも浮かび上がったらしい。
これって、最近の流行の遊びですかぁ?
まぁ、全国代わり映えのない交差点・横断歩道。
これくらいのアソビがたまにあってもいいかも・・。

画像は下記URLで公開しています

http://www60.tok2.com/home/Lunawing/diary-jun.htm

防犯

2003年6月20日
実家の母が、防犯用の新しい錠前を見せてくれた。
実家の居間の窓には3重の施錠が施されている。
私の両親は昔から、防犯対策にはひとかたならぬ熱意をもっているのだ。
泥棒から相手にされないような家ほど、往々にして防犯にとても熱心であるものらしい。

数年前のことだが、我が家の隣の家が空き巣の被害に遭った。
その話を聞いた時に、ほんの一瞬だが、私はプライドが傷つけられたような気がした。
どうして我が家ではなくて、隣が狙われたのか?
築年数は同じ、外壁や玄関ドアなどは我が家の方が少し高価なものを使っているのに・・。
「それで、いくら盗られたの?」
私が訊くと、私よりいくつか若い隣の奥さんは悔しそうに言った。
「17万円なの」
じゅうななまんえん??
「そんな大金がどうして家にあったの?」と、思わず私が訊くと、
「たまたま、あったのよ・・・」と、奥さん。
これで納得した。
泥棒の目は節穴ではないのだ。
彼らはちゃんと狙うべき家を知っている。
どんなたまたまを選りすぐっても、我が家には17万円などという大金があることなど有り得ないのだから。

我が家は、家に現金を置かない主義である。
私も夫もお金を持ち歩くのが嫌い。
だからいつも、1万円だの2万円だのと、必要最小限のお金をチマチマATMで下ろしては使っているありさまだ。
毎日のスーパーの買い物や外食は、すべてクレジットカード。
新聞から牛乳まで、支払い関係はすべて銀行引き落とし。
だから我が家には徹底的に現金がない。
さらに宝石を買う趣味もなく、預金通帳や印鑑さえ自宅には置いていない。
泥棒にとっては何の魅力もないつまらない家なのだ。
敵は、プロである。
どこの家にいくらぐらいあるか、どんな貴金属があるか、ちゃんと見抜いた上で、命がけで押し入っているに違いない。

夫の現金嫌いは重症で、朝、出勤前に、
「財布に200円しか入っていなくて定期が切れているんだけど、300円貸して」
と私に請うことがよくある。
300円貸して、というセリフも泣かせる。
きょう日、ホームレスだって500円くらい持っているだろうが・・。
所持金500円で、そこらで倒れたりしないでよ。
私が恥かくんだから・・。
私は、夫によく言い聞かせている。

夜中に駆けつけた病院で、入院保証金を支払おうとしたら5000円しか持っていなかった妻、なんていうのもシャレにならないだろうけれど。

行為

2003年6月14日
かたつむりの交尾。
飼っていなければなかなか見ることのできないシーンなので、写真に撮っておいた。
真っ最中にストロボをピカピカさせて写真を撮るなんて非常に失礼な話なのだが、当のかたつむりは、まったく動じている様子はない。
現在、我が家のかたつむりは7匹。
すべてに名前がついている。
ちなみに、この写真の手前に写っている大きなかたつむりはトロル、上の子はパジェロである。
このあと約3週間ほど後に、2匹とも卵を産むはずだ。
考えれば考えるほど、不思議な生き物である。

そして、こちらが卵。きょう産まれたばかりである。
日付の上に、小さな丸い卵が4つ並んでいるのが見える。
一個が直径2ミリ
土の中には、もっとたくさんの卵が埋まっているはずだ。
これを産んだのは「エルフ」という子。
うちに来た時にはすでにお腹に卵がいた計算になる。
これも、3週間ほどの日にちを要して孵化する。
来月の今頃、赤ちゃんかたつむりがたくさん這い出してくることだろう。

これらの写真は、携帯のカメラで撮ったもの。
最初、デジカメを持ち出して、接写モードでさんざん撮ってみたのだが、どれもこれもピンボケだったり肝心な卵が白く光ってしまってうまく撮れなかったり、ことごとく失敗した。
ダメ元のつもりで携帯で撮ってみたところ、今度はちゃんと卵が写った。
デジカメって・・・・・(--;)

http://www60.tok2.com/home/Lunawing/diary-jun.htm

☆写真は上記URLにて公開

点滴

2003年6月12日
数日前から、腹痛、頭痛、全身倦怠感に襲われている。
疲労が極限に達しているらしい。
肉体的な疲労よりも、精神的ストレスの方が強い。
こういう時の体調の悪さは、不定愁訴的になるものらしい。
きょうは、仕事を休んで病院に行った。
もともと用事があったため予定されていた休暇だったが、きょうの休みには救われた。
病院で点滴を打ってもらった。
劇的な回復を期待したが、終わってベッドの上に起き上がり、変わらぬ身体の重さを確認し、少し落胆。
明日が金曜日でよかった。
あと一日、この重い身体を引きずって、なんとか働かなければ。



百合

2003年6月9日
実家の庭では、百合が満開である。
通りかかる人が足を止めて見入るほどの迫力だ。
百合はオーラの強い花かもしれない。

20代の頃に、半月ほど入院したことがある。
その病院の壁に、「お見舞いに、百合の花はご遠慮ください」と書かれた貼り紙があったことを思い出す。
百合がどうしていけないのかな?
私が訊くと、お見舞いにきてくれた友だちはこう言った。
「百合って、枯れる時に首がガクッと折れるからじゃない?」
縁起が悪いという意味・・・?

百合が病気見舞いに不向きな理由は、他にもあるのかもしれない。
けれども、あれ以来私は百合を見るたびに、首がガクッ・・・という表現を必ず思い出してしまう。
こんなに綺麗な花なのに。
咲いている時は。

かたつむり

2003年6月8日
また、かたつむりの飼育を始めた。
10年以上前のこと。
私はかたつむりの愛らしさに魅せられ、すっかりハマッてしまったことがあった。
プラスチックの飼育箱で20匹ほどのかたつむりを飼い、毎日眺めていた。
一匹一匹に印をつけ、名前をつけてみた。
そうして長い間飼っているうちに、かたつむりにもそれぞれ性格があることがわかった。
孤独を愛し、いつも群れから離れて一人でいる子。
食べてばかりいる子。
天井が好きな子。
土の中にもぐるのが好きな子。
交尾ばかりしている子。
かたつむりも、いろいろである。

冬になると、かたつむりは冬眠する。
そして、また暖かくなる頃に、土の中から這い出してくるのだ。
1匹だけ、2年越しで飼ったかたつむりがいた。
ちょっとした事故で殻に大きな傷を負ってしまった、可哀想な子だった。
殻を傷つけたかたつむりは、たいてい死んでしまう。
けれどもこの子は、献身的な私の看護(?)の成果か、命を長らえた。
そんな事情もあり、私にとってはかけがえのないかたつむりだった。
天寿をまっとうしたとはいえ、その子が亡くなった時私はたいそう落ち込んでしまった。
そして、飼っていたかたつむりを泣きながら逃がし、しばらくの間飼うのをやめた。

私の、新しいかたつむりたち。
ミリオンバンブーに続いて、私の生活にささやかな希望をもたらしてくれるだろうか。

ミリオンバンブー

2003年6月6日
先週あるお店で、開店の記念品をもらった。
ビニール袋に入った、小さな竹のような植物だった。
これ何だろう?どうやって育てるの?
観葉植物に疎い私には、さっぱりわからない。
パッケージには、植物の名称も育て方も、何も書かれていなかった。
仕方ないのでとりあえず、水を少し入れたコップの中に差しておいた。

きょう、インテリア小物を扱う店の前で、あの植物と同じものを見つけた。
ミリオンバンブーという名前の植物らしい。
さっそくその店でハイドロボールなるものを買ってきた。
土の代わりをする物のようだ。
お店で売っていたものと同じように、陶器のコップにハイドロボールをセットして、ミリオンバンブーを植えてみた。
かわいい!
私は、このかわいい観葉植物にすっかり魅せられてしまった。
大きくなるかな。
葉っぱがもっと出てくるのかな。
眺めていると、なんだかワクワクしてくる。
ミリオンバンブーの成長を眺めるのが、これから私の新しい楽しみになりそうだ。


いたずら

2003年6月5日
夜、息子が怯えた顔をして私のところにやってきた。
「ママ、きて」
手を引かれてパソコンの前にやってくると、見慣れないページが表示されている。
見る見るうちにブラウザはサーッと不気味な消え方をし、パソコン自体を再起動を要する状態に陥った。
息子はにわかにふるえ始め、パソコン壊れちゃったかな、と泣きそうな顔で繰り返す。
落ち着かせて話を聞いてみると、こういうことだった。
どこかのゲームサイトからリンクをたどっているうちに、そのページに行き着いた。
いたずら目的のページらしく、勇気があるならばここをクリックせよ、という意味のメッセージが出ており、その通りにクリックするとたいへんに怖いことが起こった。
けれども最初のふたつはいたずらで、結果的に何も起こらなかった。
しかし、最後にクリックしたボタンにより、本当にパソコンは不調をきたした。
私が目にした、ブラウザが不気味に消失する瞬間は、このみっつめのボタンをクリックした結果らしい。
この話をしながらも息子は絶えずふるえている。
よほど怖い思いをしたに違いない。
布団に入ったあとも、彼は毛布を頭までかぶってすすり泣いている。
「パソコンこわれちゃったかもしれない?」
タオルで涙をぬぐいながら、訊く息子。
あの程度のいたずらでパソコンがクラッシュすることはないと説明してやったが、息子はなかなか納得せず、しばらくの間泣いていた。

マシンのトラブルは、怖い。
パソコンを初めて買ってから数年の間に、足がふるえるような恐怖の経験を、私自身何度も経験した。
息子も、8歳にしてパソコンがクラッシュする恐怖を知っているのだな・・・と思うと、なんだか可笑しいような不思議なような、妙な気分である。

そのいたずらサイトは、ここ。
http://www.gincha.com/3/abu.html
興味と勇気のある方は、どうぞ。


家庭訪問

2003年5月30日
小学3年生の息子の家庭訪問があった。
私は朝から休みを取り、大掃除に半日費やした。
そして、庭のプランターの花を植え替えて、座布団カバーを新調し、新しいコップを買った。
危うく一輪挿しも買うところだったが、さすがにそれは思いとどまった。
見違えるようになったリビングを眺めつつ、さぁ、どこからでもかかってきなさい、とばかりに待ち構えていたのだが・・・・。
あろうことか、先生は玄関先で話して、帰ってしまった。
せっかく掃除したのにぃ・・・。

先生の話では、息子は特に問題はないが、強いて言えば、喧嘩が多いのが気になるとのこと。
喧嘩が多い。
これは、1歳で保育園に入園した年から毎年、個人面談のたびに必ず先生方から繰り返し言われてきた言葉だ。
2歳の頃に、同じクラスの男の子から噛まれた背中の未だに消えない傷痕が、息子の喧嘩人生を物語っている。

先生が帰ってから、息子に訊いてみた。
「どうして喧嘩するの?」
「だって、あっちが先にぶってくるんだもん」
先生の話によれば、息子は自分から喧嘩を仕掛けることは少ないのだが、売られた喧嘩はもれなく買ってしまうらしい。
「そんなの相手にしなければいいのに」
すると息子は口を尖らせて言った。
「だって、隣のクラスの標語に書いてあったもん」
「何て?」
「やり返さなければケンカにならない・・って」
私は一瞬、唖然としてしまった。
「だから、やり返しちゃいけない、っていうことでしょう」
気を取り直して言うと、息子は真剣な表情で反論した。
「ちがうよ。だからやり返せ、っていう意味だよ」
ちがうっ!
断じてちがう。
息子は、その標語をまったく反対の意味で捉えているらしい。
呆れて物が言えない。

これだものね。
この子は、国語の成績は望めまい。


機種変更

2003年5月24日
H"の機種変更をした。
先日、携帯をカメラ付きに変えたばかりなので、今月は2台目の機種変更になる。
私はケータイを2台持っている。
きょう機種変したのは、PHSの方である。

携帯を機種変更する時は、新機種がたくさんあって選ぶのに迷ったが、PHSは簡単だ。
選択肢が、ほとんどない。
任意の1台に決め、メモリーの移動を頼んだ。
30分後、ショップで魂をなくした古い方の電話も受け取る。
機械に対しての思い入れが強い私は、いつもながら、この瞬間が嫌いだ。
可愛いペットが亡くなってしまったような気持ちになる。
しかも、私の意志で。

新しい恋人が欲しいくせに、元の彼とも別れたくない。
そういう時代もあったっけ・・・。
性格って、変わらないものだ。


上野動物園

2003年5月18日
仕事関係の調べ物のために動物園へ行く必要があり、せっかくの日曜日なので息子を連れて行ってきた。
動物園には、ささやかなことだけれど忘れられない思い出がある。
まだ息子がベービーカーに乗っていた頃のこと。
平日の、仕事が休みの日に、息子と二人でこの動物園を訪れたことがあった。
入園前に、カメラを忘れてきたことを思い出した私は、入り口の手前の売店で使い捨てカメラを買った。
そこで財布を開き、私は息を呑んだ。
財布の中には2000円しか入っていなかったのだ。
カメラと入場券を買ってしまったら、食事もできなくなってしまう。
銀行に寄ってくるべきだった。
後悔しても、もう遅い。
上野公園の真ん中で、私は途方に暮れた。
いちばん近い銀行は・・・。
すばやく思考をめぐらせてみたが、ベビーカーを押して最寄りの銀行まで往復したらどうやっても30分はかかってしまう。
もう、いやだ・・・・(--;)
そんなに歩く元気は、私には残っていなかった。

当時はまだエレベーターが設置されている駅などは少なかった。
だから、乗り換え駅で階段に遭遇するたびに、ベビーカーをたたんで抱え、もう片方の手で息子を抱えあげて階段を上り下りするしかなかった。
その日もそうやって、やっと上野までたどり着いたのだった。
もう疲れちゃったぁ・・・・。
泣きたいような、可笑しいような複雑な思いで息子の顔を見た。
私の気持ちなど知る由もない息子は、鳩を追いかけてそのへんをトコトコ歩き回ってはしゃいでいる。
・・・・いいか、きょうはこれで。
結局動物園は諦めて、その日は上野公園で遊んで帰った。
象さんは、また今度ね・・。
息子に話してみたが、鳩に夢中の息子の耳には届かなかったかもしれない。

相談相手にもならない赤ん坊の息子を連れての外出先で、財布には2000円。
子育ての孤独を象徴するような、今でも忘れられない切ない思い出である。


Windows95

2003年5月2日
セカンドマシンとして使っていたノートパソコンが不調になったため、修理に出した。
息子がゲーム用として使っていたマシンなので、修理に出している間の代替機として初代のノートパソコンを出してあげた。
私が生まれて初めて買ったパソコンである。
久しぶりに聞く、Windows95の立ち上がる音。
懐かしさがこみあげてくる。
このパソコンで、あらゆるものを発見し、いろいろなものを育んだ。
私のまったく知らなかった新しい世界のエントランスとなった、記念すべきマシン。
このパソコンを買った当時まだ3歳だった息子も今や小学3年生になり、専用のパソコンを要求するほどまでに成長した。
時の流れは、早いものだ。

算数

2003年4月28日
昨日、パソコンを1台修理に出した。
私がカウンターで手続きをしている間、店内を歩き回っていた息子が、
「ママ、きてきて」と手を引く。
息子に連れられて行った先は、ゲームソフトのコーナーだった。
算数の計算ゲームソフトを買ってくれと言う。
そんなに高いものではなかったので買ってやると、息子は小躍りして喜んだ。
家に帰ると、さっそく息子はパソコンに向かって買ったばかりのゲームを始めた。
1場面クリアするごとに声を上げて狂喜しながら夢中でやっている。
私も横に座ってしばらくゲームを眺めてみたが、何がそんなに面白いのかさっぱり理解できない。
実に、頭が痛くなるようなゲームなのだ。
とにかく、次々立て続けに計算問題が出てくる。
問題を解かなければ、先に進めないし敵を倒せない。
もともと計算が嫌いな私は、見ているだけでうんざりしてしまった。
どうしてこういう遊びを好き好んでやる人がいるのか?
それがしかも我が子だというのだから驚きだ。

人の趣向はさまざまだ、とつくづく感じる。

だからこそ、誰でも結婚できるんだけど・・。

爆睡

2003年4月22日
ある講演会に行った。
私の席の左側には二人連れの若い女性が並んで座っていた。
その私の隣に座っていた方の女性が、おしゃべり好きらしい。
それはもう早口で、喋る喋る。
着席してから開演まで20分ほど時間があったが、その間、隣の友だちに相槌を打つ間を与えるのみで、彼女の独壇場である。
隣に座っていた私は、聞きたくもない話が自然と耳に入り、面識もない彼女の家族構成、職業、日常生活、悩みにいたるまで、20分間ですっかり学習してしまった。
彼女は言う。
「結局、私は時間の使い方が下手なのよぉ。なんか時間の使い方を間違っているみたいね。人生をムダにしているなぁ、っていう気がするの」
やがて舞台に司会者が登場し、講師の紹介が始まると、彼女はやっと口を閉ざして静かになった。
そしていよいよ講演が始まるや、彼女は1、2、3とカウントする間もなくただちに爆睡モードに入った。
喋りまくって疲れたのかもしれない。

講演は、とても面白く、勉強になる内容であった。
客席の殆どの人がメモを取りながら講師の話に聞き入っていた。
そして、約1時間の講演の間中、私の隣の彼女はひたすらに眠り続けていた。


IM

2003年4月20日
深夜、友だちがログインしてくるのを待っていたら、知らない男性から相次いでIMが飛び込んできた。
IMとはAOLの1対1のチャット機能。メッセンジャーとよく似ている。
いきおい、3人かけもちでIMすることになってしまった。
かけもちのIMは、本当に久しぶりである。
3人のうち、2人は40代、1人は20代後半の男性だった。
最後に声をかけてきた人には、「今、2人かけもちなの」と送って断ったつもりだったが、相手はひるまず「モテモテだね」などと言って、他の男に負けじとメッセージを送ってくる。
30分ほど当たり障りない会話をしているうちに、どの男性も申し合わせたように、逢わないか、と言い出した。
写真を送るから、とも言う。
AOLは相変わらずだ。ため息が出る。
ここはテレクラとは違うのよ、という意味のことを遠まわしに、けれどもはっきりと伝えると、1人はすごすごと消えていったが、残り2人は最後まで粘っていた。
ここで、どんな関係を見つけたいの?
私が訊くと、40代妻帯者は、「恋がしたい」と率直に答えた。
「30分話しただけの女性と逢って真の恋ができると本気で考えている?」
と私が訊くと、「だって、逢わなくちゃわからないもの」と臆面もなく彼は言う。
逢ったら、何がわかるというのだろう。
期待できる答えが戻ってくるとは思えず、それは訊かなかった。

彼らはいつの日か、その空虚な心と満たされない欲求を充足させてくれる女性と、このネットの海で出会うことができるだろうか。

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